太陽光発電のメリットとデメリットをわかりやすく解説!具体的な導入事例も紹介

太陽光発電は、カーボンニュートラル実現につながる再生可能エネルギーとして普及が進んでいます。自家消費で電気代を低減できる場合もあり、企業の経営戦略上でも重要な選択肢です。

本記事では、太陽光発電のメリットとデメリットを解説します。太陽光発電の導入事例や情報収集に最適な展示会も紹介するため、ぜひご一読ください。

 

太陽光発電とは?

太陽光発電とは、太陽光がもたらす光エネルギーを電力へと変換する仕組みです。発電時に石油や石炭など有限の化石燃料を原料とせず、CO2(二酸化炭素)が発生しないことから、環境にやさしい再生可能エネルギーとして注目されています。

国内の10kW未満の住宅用太陽光発電導入件数は、2019年に2,676,116件※1に達しました。これは、戸建住宅総数(28,758,600戸)の約9%を占める割合です。

東京都では、2025年4月から一定の条件を満たす場合に太陽光発電の設置が義務化されます。

また、世界の太陽光発電に目を向けると、新規導入量は右肩上がりに増加しています。2030年までの累計導入量は、6~8TW※2に達する見込みです(Solar Power Europe調べ)。

なお、再生可能エネルギーの利用促進は、カーボンニュートラルに向けた取り組みのひとつです。カーボンニュートラルについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

▶関連記事:カーボンニュートラルに向けた取り組みとは?国際的な背景と企業の導入事例を紹介

※1出典:一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)「太陽光発電の状況ー主力電源化に必要な新規案件開発継続ー」
※2出典:一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)「太陽光発電の現状と自立化・主力化に向けた課題」
 

太陽光発電の仕組み

太陽光発電は、太陽電池を利用して発電します。

太陽電池では、光エネルギーが当たると電子とホール(正孔)が生じます(光電効果)。電子はプラスに帯電している半導体へ、ホール(正孔)はマイナスに帯電している半導体へと流れ、この電子が流れる力を外部で利用する方法が太陽電池の基本的な仕組みです。

太陽電池は材料により、「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3つに分けられます。シリコン系の多結晶シリコン太陽電池は、現在主流の太陽電池です。その他、有機系のペロブスカイト太陽電池の実用化も進んでいます。

▶関連記事:ペロブスカイト太陽電池とは?仕組みやメリットを解説

 

太陽光発電のメリット

太陽光発電の導入は複数のメリットをもたらします。主なメリットは次のとおりです。

  • 気候変動に配慮したエネルギーを利用できる
  • 電力市場価格の影響を受けにくい
  • 災害時の電源を確保できる
  • 電気を売却できる

各メリットの詳しい内容を紹介します。
 

気候変動に配慮したエネルギーを利用できる

太陽光発電の大きなメリットは、気候変動に配慮したエネルギーが利用できる点です。

近年、多くの国・地域で異常気象や温暖化などの問題が生じており、気候変動への対策は企業を含めた世界での喫緊の課題です。持続可能な環境整備に向け、2015年には気温上昇を1.5℃に抑えることを目標とした「パリ協定」が採択されました。

日本では、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を行っています。2021年10月に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、2030年度の電源構成で再生可能エネルギーが36~38%を占める目標が立てられました。

上記のうち、太陽光発電で求められる割合は約14~16%(2019年度は6.7%)です。サステナビリティに富んだ経営を行うために、太陽光発電エネルギーの導入は企業にとっても重要な選択肢です。

電力市場価格の影響を受けにくい

太陽光発電は、電力市場価格の影響を受けにくい点もメリットです。

例えば、火力発電では天然ガスや石油などの燃料価格の影響を受けます。近年、ロシアのウクライナ侵攻の発生により、欧州を中心に天然ガスの需要が増え、燃料価格が高騰しています。

加えて、為替による燃料価格への影響も大きく、燃料が高騰すると、電力市場価格も影響を避けられません。

一方、太陽光発電の原料は太陽からもたらされる光エネルギーなので、天然ガスや石油などと異なり、原料を輸入する必要がありません。自社の電源設備で発電できるため市場の影響を受けにくく、電気にかかる費用をコントロールしやすい側面があります。

災害時の電源を確保できる

太陽光発電は、地震や津波、台風や豪雨などの自然災害で長期停電が起こった際にも有効です。

自立運転機能が備わった太陽光発電システムは、災害で停電となった場合にも電力を利用できる可能性があります。このため、継続して自社のサービスを提供できる他、非常時の電力源として地域社会への貢献にも繋がるでしょう。

災害時に備えて屋根に太陽光発電システムを設置するなど、BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)で活用する企業も存在します。

電気を売却できる

太陽光発電で得られた電力は、FIT制度やFIP制度のもと、電力会社への売却が可能です。

FIT制度は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度をさします。FIP制度は2022年4月から導入された制度で、売却した電気の価格に一定の補助金が支払われる制度です。

太陽光発電の余剰電力が売却できれば、本業とは別の収入が得られます。

 

太陽光発電のデメリット

太陽光発電は複数のメリットを享受できる一方、導入にはデメリットも存在します。代表的なデメリットは次のとおりです。

  • 初期コストがかかる
  • 気候の影響を受けて発電量が変動する
  • ランニングコストがかかる

各デメリットの詳細を解説します。
 

初期コストがかかる

太陽光発電を導入するには初期コストがかかります。具体的には、太陽光パネルやパワーコンディショナ、機器を設置するための架台、その他の機器、工事費などが必要です。

住宅用太陽光発電の場合、設置費用の平均(2023年)は1kWあたり28.8万円※です。5kWの太陽光発電システムを導入する場合、平均で144万円かかる計算です。システム費用は年々低下傾向にありますが、導入には一定の予算が必要な点に注意しましょう。

※出典:経済産業省 資源エネルギー庁「太陽光発電について」
 

気候の影響を受けて発電量が変動する

太陽光発電は、天気や季節など気候の影響を受けます。

晴天の日は安定した太陽光の供給で発電効率が高まりますが、曇りの日は発電できる電力量が低下します。雨の日になるとさらに電力量が落ちるため、電力の供給に不安定さが伴うでしょう。

また、季節によって発電量が変動する点も留意しなくてはなりません。日射量の多い夏に比べて、日射量が減少する冬は発電量も減少する傾向にあります。
 

ランニングコストがかかる

太陽光発電で使用する太陽光パネルやパワーコンディショナ、接続機器などはメンテナンスが必要です。システムを維持するためには、ランニングコストがかかる点を忘れないようにしてください。

経済産業省の調達価格等算定委員会の調査によると、メンテナンスなどの運転維持にかかる費用は1kWあたりで年間約5,000円※です。5kWの太陽光発電システムを導入した場合、1年間で約25,000円のランニングコストを考慮に入れる必要があります。

※出典:経済産業省 資源エネルギー庁「太陽光発電について」

 

PPAモデルで太陽光発電設備導入の初期費用を抑えられる!

デメリットに挙げたとおり、太陽光発電の導入には初期費用がかかります。初期費用を抑えたい方には、PPAモデルでの導入がおすすめです。

PPA(Power Purchase Agreement)モデルは、エネルギーサービス会社と契約(PPA)を結んで太陽光発電を導入する方法です。

エネルギーサービス会社が需要家の事務所の屋根や土地を借りて発電し、使用した分の電気代を支払う仕組みのため、初期費用がかかりません。クリーンな再生可能エネルギーを利用できる上、再エネ賦課金や燃料調整費がかからないメリットがあります。

また、設備を設置する屋根・土地のスペースがない企業に対し、需要地ではないオフサイトに導入した太陽光発電システムを活用する「オフサイトコーポレートPPA」も提供されています。

PPAについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

▶関連記事:太陽光発電のPPAとは?仕組み・メリットや再エネ導入時の「追加性」について解説!

なお、PPAモデルを含む太陽光発電の導入は、環境省が運営する「太陽光発電の導入支援サイト」でも詳しく紹介されています。パンフレットや活用ガイド、再エネ導入事例などが掲載されているため、参考にしましょう。

 

太陽光発電の導入例

太陽光発電は、近年様々な企業で導入されています。以下では4つの観点から、太陽光発電の導入例を紹介します。

  • PPAモデルによる太陽光発電の導入
  • リースモデルよる太陽光発電の導入
  • 電力価格高騰対策としての自家消費型太陽光発電の導入
  • ソーラーカーポートの導入
     

PPAモデルによる太陽光発電の導入

前述のとおり、PPAモデルは初期費用が抑えられるメリットがあり、太陽光発電の導入に活用されています。

ある半導体製造企業※1では、工場にPPAモデルで太陽光発電を導入しました。今後予想される取引先からのCO2排出量削減要望に備えることで、他の受注元との差別化を図っています。

また、ある水処理センター※2では、PPAモデルを利用して太陽光発電を導入しています。水処理センターの年間CO2排出量が610トンと市の公的施設で高い水準にあった点、年間電力料金に約2,000万円がかかっていた点が導入の主な理由です。

※1出典:環境省「自家消費型太陽光発電の導入先行事例」
※2出典:環境省「事例集 第三者所有モデルによる太陽光発電設備導入の手引き 付属資料」
 

リースモデルによる太陽光発電の導入

リースモデルは、太陽光発電をリースして導入する方式です。太陽光発電システムはリース事業者が設置するため、基本的に、初期費用がかかりません。月々のリース料の支払いが発生しますが、リース料は経費に計上できます。

ある企業※では、リース会社と契約を結び、工場の屋根に太陽光発電を導入しました。さらに、地元の自治体と災害時の応急対策支援協定を結んで、災害時には充電スポットや帰宅困難者の滞在場所を提供することに同意しています。

※出典:環境省「初期投資0での自家消費型太陽光発電設備の導入について~オンサイトPPAとリース~」
 

電力価格高騰対策としての自家消費型太陽光発電の導入

太陽光発電は電力高騰対策にも有効です。ある製造業※では自社の各工場に900kW前後の太陽光発電を導入しています。

企業内で電力コストを算出したところ、電力小売会社から購入する場合よりも、太陽光発電を導入して自家消費する場合のほうが良い結果を得られているそうです。

※出典:環境省「自家消費型太陽光発電の導入先行事例」
 

ソーラーカーポートの導入

ソーラーカーポートは、駐車場のカーポートを活用して太陽光発電を行う方法です。駐車場上部の空間を有効利用できる他、電気料金の削減やESG投資に対応できます。

また、ある中山間地域※では、廃校を活用したコアオフィスにソーラーカーポートを導入しました。CO2排出量を削減しつつ、地域の防災力強化につなげる取り組みです。

※出典:環境省「ソーラーカーポート等の新たな自家消費型太陽光等の導入支援事業に関する優良事例」

 

太陽光発電の導入を検討するなら「PV EXPO 太陽光発電展」へ

太陽光発電の情報を収集している方、導入を検討中の方は、ぜひ「PV EXPO 太陽光発電展」へご来場ください。

PV EXPO 太陽光発電展では、各種太陽光発電システムをはじめ、太陽光発電に関する多彩な製品、サービスが出展されます。主な出展対象製品は次のとおりです。

  • [次世代]太陽電池
  • 太陽光発電システム
  • パワコン・システム機器
  • 架台・施工技術
  • 保守・メンテナンス
  • パネル回収・リサイクル技術 など

会場では、出展社様から太陽光発電導入に関する自社の課題への提案を受けたり、具体的な仕様・設計の相談に乗ってもらったりできる可能性もあります。

また、PV EXPO 太陽光発電展には発電事業者や太陽電池メーカー、太陽光発電の導入を検討する需要家様が来場します。顧客獲得の良い機会となるため、太陽光発電に関する製品や技術をお持ちの企業様は、ぜひ当展示会への出展もご検討ください。

■PV EXPO 太陽光発電展
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太陽光発電の導入にはメリット・デメリットの把握が大切

太陽光発電を導入すると、気候変動に優しいエネルギーの利用や電気料金の削減など、多彩なメリットを受けられます。

導入にはコストがかかる点がデメリットですが、近年はPPAモデルやリースモデルなど、初期費用を抑えて太陽光発電を導入できる選択肢も増えています。自社の目的やニーズにあわせて、適した太陽光発電の導入を検討しましょう。

太陽光発電の情報収集には、PV EXPO 太陽光発電展が役立ちます。システムや機器、施工や管理の詳細を知りたい方は、ぜひPV EXPO 太陽光発電展への来場をご検討ください。

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※「PV EXPO 太陽光発電展」は、「スマートエネルギーWeek(SMART ENERGY WEEK)」の構成展です。

 

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▶監修:近藤 元博(こんどう もとひろ)
肩書:愛知工業大学 総合技術研究所 教授
プロフィール:1987年トヨタ自動車に入社。生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクルなど幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入を推進。「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他資源循環、サーマルリサイクル技術に関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他